和食器の使い方・選び方、「どうぞご自由にお使いください」 

よく、「これは、何に使うものですか?」と質問を受けるのですが
和食器の使い方・選び方は難しいとお感じでしょうか?

洋食器の場合はスープ皿、パン皿、たくさんの大きさの違うお皿、フォーク、スプーン、ナイフと
 用途によって大きさが決まっていますが
和食器の場合は、小皿・中皿・大皿。あと、形が違って小鉢・中鉢・大鉢というくらいで
 特に、何々用のお皿、鉢と決まっているものではありませんので
 お使いになる方の使い勝手のよいようにお使いいただいて結構です。
和食器の場合はたぶん、お皿と鉢のようにお汁ものか、そうでないかのように
 最初から使い易いように、大きさや形自体がちがっているのではないかと思います。

たとえばお茶碗ですが、持ちやすいように高台(底の部分)は小さめに作ります。
しかし同じくらいの大きさの鉢の場合は、こぼれにくいように高台は大きめです。
もっと大きいお茶碗をお探しの場合は、鉢の中から探されたほうが見つけやすいかと思います。
あるいは、お抹茶茶碗を使われるのが良いかと思います。
これは「・・なので、・・用」としていただかなくて結構です。
どうぞ、使い勝手の良いようにご自由にお使いください。

たとえば、お抹茶茶碗でみつ豆を召し上がってください。
 ちょっと贅沢な気分が味わえるかと思います。アイスクリームもすてきですね☆
 (その時は、前もって器を冷やしておいてください。溶けにくくなります。)
たとえば、気に入った香炉を見つけられた場合は
 お砂糖容れとしても使えるかと思います。キャンディーや小梅を入れられてもオシャレですね☆
 とっくりを花器として使うようなものです。
菓子鉢もサラダボールにちょうどいい大きさだと思います。
 大切に仕舞いこまれているより、活躍させてあげてください。
 食卓が、より華やかに楽しくなると思います。

どうぞご自由に、いろいろな使い方をお楽しみください。

また、「このお皿でカレーが食べたい!」とか
「このお皿は絶対、フレンチ・トースト!」とかでお選びください。
それが、出会いのように思います。

皆様がすてきな和食器と出会われますように・・・











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炭山をご紹介します。 

炭山は宇治市の北、京都・醍醐の南より東側、山間の谷に位置します。
この谷間に上炭山・中炭山・下炭山と呼ばれる3つの集落があります。
この集落を抜けて流れる志津川が宇治川へとつながります。
当陶房は、この中の下炭山とよばれる集落の中にあります。


この道を1時間ほど下っていくと宇治の三室戸寺へ出ます。
また、天ヶ瀬ダムの下から宇治川、平等院へとつづきます。
炭山の奥には笠取、二の尾、池の尾と山間部がつづき、滋賀県の瀬田、石山へとぬけることができます。
池の尾は芥川龍之介の「鼻」にでてくる禅知内供(ぜんちないぐ)のお寺のあるところです。
初夏には蛍が飛び交い、いのししや猿の他、雉や鹿も見かけたことがあります。
ちょっとした秘境のようですね☆




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残暑お見舞い申し上げます。 

まだ日中は暑い日が続きますが、炭山には心地好い風が吹きはじめ
秋の気配が感じられるようになってきました。
夜には虫の声も聞こえ始めました。
秋はもう、すぐ傍に来ているようです。

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京の厄除け 

8月16日の大文字の送り火も終わり、京都の夏も終盤を迎えています。
先日の祇園祭のちまきをいただきましたので、京都の厄除けについて・・・

祇園祭のちまきは食べるものではなく、中にお餅は入っていません。
毎年祇園祭の日にいただき、厄除けとして1年間、家の軒下にあげておきます。

表に「蘇民将来之子孫也(そみんしょうらいの子孫なり)」と書かれているのは
神様が旅人に姿を変えられ、蘇民将来という人に1夜の宿と食事を供されたお礼に
疫病が流行っても、「蘇民将来の子孫なり」と書かれた家のものは守ると約束なされたという
神話からきています。
この神様を祀っておられるのが、祇園祭を行われる八坂神社です。
祇園祭も疫病を鎮めるために行われたものですので
祇園祭のちまきは、とても御利益がありそうですね☆

このちまきは、放下鉾の囃し方さん(鉾にのってお囃子をされています)からいただきましたので
「放下鉾」と鉾頭の日・月・星を表す、すはまのようなマークがついています。

8/16 大文字の送り火の日には、杯に入れたお酒に「大」の字を映して
こぼさずに飲むと、中風にかからないそうです。
また、大文字の消し炭を粉にして飲むと病気にかからないそうです。

夏場なのにインフルエンザが流行っています。
京の厄除けの御利益が、皆様にありますように。



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「京焼・清水焼」について 

「京焼・清水焼」についてご説明します。
京都で作られた焼き物は、土物も石物もすべて「京焼・清水焼」と呼ばれます。

「京焼」というのは産地名です。
信楽で焼かれたものは「信楽焼」、備前で焼かれたものは「備前焼」と言うのと同じです。

「清水焼」というのはもともとは商品名だったのですが、全国的に知られるようになり
「京焼・清水焼」と統一されるようになりました。

「京焼」=「清水焼」で、別のものではありませんので
「京焼」と呼ばれても、「清水焼」と呼ばれてもどちらでも結構です。

他に「京物」という言いかたもします。これは「京都で作られた物」と言う意味です。
「瀬戸物」が「瀬戸で作られた物」と言う意味であるのと同じです。
陶器=瀬戸物ではありませんのでご注意ください。

焼き物は日本全国各地に産地があり、それぞれ各地に独特の特色があります。
そのため名称は、産地を表し、特色を表す重要なものとなります。
成形方法や技法も各地でさまざまです。ロクロの回転の方向もちがったりします。
これは昔の藩制によるもので、技法も門外不出だったせいによるものです。
ロクロの回転がちがうのは、足で蹴って回転させていたり、縄で回したりしたところによるものです。
回転を作り出す専門の人と2人がかりで成形していた産地もあります。

「京焼・清水焼」の特徴は、成形から絵付けと、完成まですべて手作りされるところにあります。
当陶房でも上の写真の物のように、1つ1つロクロ成形し、はんこを押したり、彫りを入れたりしています。
そのため、同じものでも1つ1つに、少しずつほんの小さな個性が現れます。
手になじむ繊細さや、あたたかみは、そこから生まれるのでしょう。

「京焼・清水焼」は京都に都があった室町・桃山時代の雅で華やかな文化の中で茶の湯とともに発展しました。
そのため、生活雑貨というより工芸品としての色彩がつよく
より繊細に・・・より華やかに・・・というところに特徴があります。

「京焼・清水焼」が皆様の日々の生活シーンに、より華やかな彩りを添えることを心より願います。


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