貫入(かんにゅう)について 



陶器(土物)の表面にできる貫入(かんにゅう)についてご説明します。

これは「ひびわれ」ではなく、土物の釉薬表面上に現れるもので「貫入」といいます。
土物(陶器)独特のもので、石物(磁器)には現れません。

1200℃で本焼き焼成されたあと、溶けた釉薬がガラス状に冷め固まっていくとき発現するもので
生地と釉薬の収縮率のちがいによってできるものです。
これは1度に入るのではなく、温度が常温にまで徐々に下がっていく過程で少しずつ入ってきます。
その時、鈴を鳴らすような、高音のきれいな音がチリ、チリとします。
窯のふたを開けたとき、窯出しをするときは、窯場に音があふれます。
温度が下がるからです。貫入が入っていく音です。窯出しの楽しみのひとつでもあります。
その後しばらくは音がします。1週間後、1月後、音がすることもあります。

土物の陶器は、この表面上の貫入を景色として楽しみます。
貫入の出具合は、釉がけのときの濃度により多少調節できますが
温度が下がっていく過程で自然に発現するものなので、人為的操作ができるものではありません。
季節によってもちがってきます。表面温度の下がり方なのでしょう。
そのため、1つ1つの個性として重要なものとなります。

土物の場合は吸水率が高いので、最初貫入が入っていないように見えても水に通すと見えてきます。
これは貫入が入っていなかったのではなく、焼きあがって窯から出されたままの物であり
水を通されていない、誰にも使用されたことがないということです。

土物の湯のみやコーヒーカップの場合は、茶渋やコーヒーの色が貫入に入り込みますが
最初から黒や赤をしみこませ、貫入を模様とする技法もありますので
使い込まれたお抹茶茶碗同様、愛着を持って大切にお使いいただいた証となりますが
どうしてもおいやな場合は、キッチンハイターで落ちると思います。

「貫入」は土物独特のものなので、土物の持つあたたかみ同様、風合いとしてお楽しみください。
決して「ひびわれ」とおっしゃらないでください。・・・作り手として悲しくなります。
土物の陶器が貫入と共に、愛されることを願います。













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土物(つちもの)の器について、「おすすめ:夏の陶器の使い方」 

今年は長い梅雨が続きます。
京都では祇園祭の山鉾巡行が終わると、夏のはずなのですが・・・

今日は、土物(つちもの)の器についてご説明させていただきます。
焼き物は「陶磁器」と言い、「陶器」と「磁器」があります。
これは、使われている粘土の違いで
陶器=土物(つちもの)、磁器=石物(いしもの)と言います。
土物はやわらかく、あたたかみがあるのが特徴です。
石物は白く、薄く、硬質さがあり、繊細さが特徴です。
石物と土物では、本焼きの焼成温度も違います。(石物のほうが高い温度で焼きます)
収縮率も違います。土の練り方(菊練り)も少し違います。

京都で作られているものは、土物も石物もすべて「京焼・清水焼」と呼ばれます。
石物は、一般に「清水焼」として思い浮かべられる呉須(青い絵の具)で山水などが描かれたものや
    中国の景徳鎮のものなどが有名です。
当陶房では、陶土を使用して陶器=土物を作っています。

「おすすめ:使い方」
土物の器は保温性が高いので、夏の暑い時期には冷蔵庫で冷やしておきます。(お急ぎの場合は冷凍庫で)
手で持って冷たく感じるほど冷やしておくと、アイスクリームを盛っても溶けにくく
冷たいお茶やジュースも氷がいらないほどです。☆溶けた氷で薄くならないので最適です☆
暑い夏には、「幸せ!」と感じるほどです☆
1度おためしください。あまりご存知ないので、おすすめします。








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サンドイッチ 

蒸し暑い日は、あっさり野菜のサンドイッチで☆

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清水焼1日体験教室のご紹介 

中学生と小学生の作品です☆個性的でかわいい作品に仕上がりました。

当日お越しいただいて、カップや鉢などお好きなものをお作りください。
難しいものにチャレンジしていただくのもいいですね☆
想っておられるものに仕上がるよう、お手伝いさせていただきます。
形が出来上がったら、線彫りやはんこで、模様をつけていただきます。
個性的でオリジナルな作品に仕上がります☆
作られる方によって違いますが、2〜3時間程かかります。
釉薬は使う土によって変わってきますが、お選びいただけます。
形や模様が引立つ、釉薬がいいですね。
これで、オリジナル作品の完成です☆
あと、おあずかりして乾燥・素焼き・釉薬がけ・本焼きをします。
この間1ヶ月ほど、お時間を頂戴いたしております。
世界に1つだけの作品を楽しみにお待ちください☆

体験教室ご案内ページ
http://www.town-navi.jp/~ando/taiken/index.html







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今日は・・・ 

ココアのロールパンにしてみました☆

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